プレイヤーの努力を全否定するFPS? ファークライ4の評価やレビュー

ファークライ4の評価やレビュー

ファークライ5が面白かったので、前作ファークライ4も買ってみた。グラフィック戦闘などのシステム面は5の圧勝だけど、ストーリーが凄い……。

クリアして2周目を始めた瞬間、思わず震えた。こんな、こんな仕掛けを用意していたとは……

ストーリーや本作を象徴するキャラクターパガン・ミンを含めた評価・レビューを語っていく。

ファークライ4のストーリーやキャラについて

ファークライ4のあらすじ

本作の舞台は、巨大なヒマラヤ山脈の奥地にある小国「キラット」。主人公のエイジェイは、母親の遺灰を撒くためにキラットへ足を踏み入れるが、そこは独裁者「パガン・ミン」が支配する暴力に満ちた国だった。

エイジェイはパガン・ミンと敵対する反乱軍「ゴールデン・パス」と協力し、パガン・ミンを打倒しようとするが……

主人公は二大勢力の戦いに巻き込まれるという展開で、一見するとよくある設定に思えるが、実はこれが非常に深く考えられている。

FPSといえばストーリーに期待する人は多くないと思うけど、適当に銃を撃って満足するだけでは,あまりにももったいない。

さっそくストーリーについて語りたいけど、ネタバレが激しくなるため、先にファークライ4のキャラや世界観について語っていくよ。

狂気的なカリスマ~パガン・ミン

パミン・ガン
パガン・ミン

ファークライ4のラスボスにして、作品の顔とでもいうべき超重要キャラ。ファークライ4の魅力は何かといえば、半分はパガン・ミン様だと思う。

狂人キャラといえば、ヒャッハーしているチンピラ系が一般的だけど、こういう輩は描写の仕方が下手だと、途端に薄ら寒く感じてしまう。

その点パガン・ミンは、物腰柔らかだけど内に凄まじい狂気とカリスマ性、そして気品を秘めている(後王道の野原ひろしボイス……)。

ファークライシリーズの中で一番好きなキャラだ。

サバルとアミータどっちを選ぶか

アミータ
アミータ
サバル
サバル

主人公が属するゴールデン・パスには、アミータとサバルという2人のリーダーがいて、「勢力均衡ミッション」を通してどちらの側につくかを選択できる。

  • サバル:仲間想いだが、キラットのやばい伝統や流儀を重んじる
  • アミータ:麻薬を栽培し生計を立てようとしているリアリスト

アミータが可愛かったから僕はアミータを選んだけど、

うーん……。

もしもどっちを選べば良いのか悩んでいるなら、迷わずに好きな方を選ぼう。

戦闘やシステム面の評価

戦闘に関しては自由度が非常に高いのが特徴。銃を撃ちまくりたいなら正面から敵をガンガン潰せるし、ひっそりと基地を制圧したいなら、ステルスプレイに徹することもできる。

ハンドガンやショットガンから、弓やロケットランチャーまで多彩な武器を選べる上、象に乗って敵を蹴散らしたりも可能だ。

また人間だけでなく、野生動物と戦えるのもファークライシリーズならでは。序盤の内はサイが超強敵で、うっかり戦いを挑むと瞬殺されることも。

仲間が、仲間がほしい……

これはファークライ5をプレイした後だから感じるが、やはり連れていける仲間がいないのは残念。

サバル、アミータ、ロンギヌスなど、魅力的な味方キャラが多いだけに、一緒に戦えないのは惜しい。

一応傭兵トークンを呼べばモブを呼べるけど、トークンがいないと誰も応援に来ず、1人で基地などを攻略することになる。

なんだかんだで主人公とゴールデンパスの関係は、ビジネスライクなのだ。

移動に関して

オープンワールドは移動が面倒だけど、ファークライ4ではファストトラベルが複数あり、車の自動運転があるので楽ちん。

ジャイロコプターは拾える場所が主人公の家しかないけど、 登るのが面倒な電波塔の移動をスキップして、いきなりヘリから屋上へ到達できるのはうれしい。

僕はあまりしなかったけど、やろうと思えば敵の基地をヘリで銃撃できるのもグッド。

移動の不満点

個人的に気になったのがグラップリングという、高所に縄を引っ掛けて登るという移動手段。高い山が多いファークライ4ならではの要素だけど、グラップリングできる場所がなかなか見つからず、高い場所を登るのが面倒に感じた。

この点に関しては、UBIの人気シリーズ「アサシンクリード」と比較しがちだったかもしれない。同じ開発会社なのだから、ファークライでも簡単に山登りなどが出来てほしかった。

ネタバレ全開でファークライ4を語る

パミン・ガン

ついにファークライ4で最も重要なエンディングなどについて解説していく。ここからはネタバレへの配慮は一切しないので、まだプレイしていない人はすぐにソフトを買ってほしい。

プレイヤーを痛烈に皮肉るエンディングを解説

パガン・ミンの基地を制圧し、いよいよパガン・ミン様と対決だと思っていたら、やられた……。完全にやられた……。

ストーリーが始まってすぐに、主人公のエイジェイはパガン・ミンに拉致される。パガン・ミンはエイジェイを豪華な食卓へと誘うが、ゴールデン・パスの襲撃を受け、「ここで待っていてくれ」と言い、席を外す。

エイジェイはその隙に脱出したことがきっかけで、パガン・ミンとの戦いが始まる。しかしパガン・ミンはエイジェイをどうこうするつもりはなく、むしろ自分が支配した国キラットを、エイジェイに渡すつもりだったことが終盤で語られる。

このゲームの趣旨は、エイジェイがゴールデン・パスを率いてパガン・ミンからキラットを取り戻すことだが、よりにもよってゲーム終了時に自分の選択が間違っていたと明かされるわけだ。

パガン・ミンは嘘をついているわけではない。実際にゲームを開始して何もせずに数十分待てば、エンディングとなってゲームクリアだ。

この冒頭とラストの関係性が絶妙だ。実際にゲームを始めからもう一度プレイして気づいたが、ゲーム内でも「パガン・ミンの屋敷から脱出しろ」とは、一言も指示されていない

加えてエイジェイはパガン・ミンに不当な扱いを受けたわけではなく、拘束すらされていない。

むしろエイジェイを保護したり、食事を用意したりと、エイジェイ視点から見れば、パガン・ミンは良い人とさえ映ったと思う。

じゃあなぜエイジェイが屋敷から抜け出したかというと、全てはプレイヤーである自分自身がそう選択したからだ。

パガン・ミンに待てと言われた後、プレイヤーがエイジェイを動かさなければ本来の目的を果たせた。パガン・ミンと再開した終盤でも、プレイヤーがパガン・ミンを撃たなければ、エンディングに直行してハッピーエンドとなる。

つまりプレイヤーの行動であり、最終局面までたどり着いた努力、そして存在そのものを全否定しているのだ。パガン・ミンを通して制作側は、このゲームのプレイヤーが如何に野蛮かを訴え、皮肉っているわけだ。

最もパガン・ミン自体は、エイジェイと一緒にゴールデン・パスと戦う気満々のため、どちらにしてもキラットでは殺戮が繰り広げられることになる。

冒頭に全ては予言されていた

冒頭では、パガン・ミンの配下の一人が彼の命令に反して、エイジェイが乗ったバスを銃撃する。

パガン・ミンは、「たった1つの命令を見事にしくじりやがって!」と兵士をフルボッコにし「猿」と罵るが、あの暴走した兵士は未来のエイジェイでもあり、このゲームは、命令を無視して暴れた猿の物語だということも暗示していたのだ。

見返せば見返すほど、この冒頭と終盤の作り込みというか、構成の旨さに驚かされる。

【総評】ファークライが何作出ても色褪せない名作

この記事を書いている時点だと、ファークライ5やファークライ ニュードーンなど多数の新作が出ている。今後もファークライシリーズが続いていけば、本作のゲームシステムやグラフィックは過去の栄光となるだろう。

しかしパガン・ミンという絶対的な悪役と、プレイヤーの全てを否定するゲーム構成までもが色褪せることはないはずだ。

後半はネタバレ全開で語ったが、まだキラットで暴れていない人は、ぜひ本作をプレイしてほしい。

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