恐竜が現代に蘇る~ジュラシック・ワールドレビュー

今回レビューする映画はジュラシック・ワールド。この手の恐竜が出る映画はほとんど見たことがなかったけど、偶然Amazonプライムで見つけたから、感想などをまとめてみた。

ジュラシック・ワールドのあらすじ

現代に蘇った恐竜たちが大暴れするでおなじみ、「ジュラシック・パーク」シリーズの最新作。

遺伝子操作により生まれた恐竜たちは、「ジュラシックワールド」というテーマパークの見世物にされていた。しかしひょんなことから、凶暴で知性がある最悪の恐竜「インドミナス」が外に逃げてしまう。

ヴェロキラプトルの調教師であるオーウェンは、暴走するインドミナスを止めようとするが……

崩壊の亀裂が描かかれる序盤

ジュラシック・ワールドというタイトルからも分かる通り、本作は恐竜が大暴れする作品だけど、序盤の内は恐竜をあえて見せず、収容されている施設を代わりに映している。

というのが大まかなあらすじ。シリーズものだけど、「ジュラシック・パーク」シリーズは本作が初めての僕でも問題なく楽しめたよ。

フェンスの低さやヒビが入ったガラスなど、施設の問題点や恐竜がもたらす暴力性などが暗示され、不穏な雰囲気が伝わってくる。

また崩壊の亀裂は人間関係においても描かれている。冒頭でクレアの甥(ショタ)が母親と微笑ましいやり取りをしていて、この家族は仲が良いのかなと思ったが、実は父親と母親がそれぞれ離婚の準備をしている。

またお兄ちゃんの方も恋人とラブラブだが、ジュラシック・ワールドに来ると別の女の子を性的な目で見ており、浮気をする気満々。お兄ちゃんも浮気が原因でいずれ別れるのが容易に想像できる。

もしかしたらお兄ちゃんに浮気癖があるのは、父親か母親の遺伝かもしれないなあ。

このように、一見安全に見えても実際は崩壊寸前という状況が、序盤はしつこいくらい描かれており、いろいろとメッセージ性のようなものを感じた。

さっさと恐竜を出せよという声もありそうだけど、個人的にはこういった嵐の前にの静けさが描写されるのが好きだ。

恐竜との命がけの追いかけっこ

「ジュラシック・パーク」シリーズをほとんど見たことがなかった僕としては、てっきり恐竜と人類がガチンコで戦うのかと思ったら、テーマパークが用意した捕獲部隊などがとにかく弱い。

まあ、殺さないで捕獲することを目的としているから、仕方がない部分もあるかもしれないが……

頼りになるのは主人公のオーウェンくらい。というよりも絶体絶命の状況に追い詰められても、冷静な判断ができるオーウェンが強すぎる……。

また恐竜に恐竜をぶつけるという展開が王道ながら熱い。

特に終盤のインドミナスVSTレックスの戦いからのモササウルスの乱入、そしてヴェロキラプトル(ブルー)の奮闘は、どいつが生き残るのかハラハラドキドキ、高揚感が加速度的に増していった……!

それと主人公たちに味方するのが、ヴェロキラプトル全員ではなく、生き残ったブルーだけというのは、切ないながらも感慨深いものがある。

スーツ野郎の扱い

本作では恐竜をビジネスの道具としか考えていない、いわゆるスーツ野郎が多数登場する。しかしそういった奴らは、恐竜に食われたり、滑稽に扱われたりと、ことごとくロクな目に合わない。

ヒロインのクレアもその一人で、酷く滑稽に描かれている。しかし中盤ごろ、クレアは上着(スーツ)を着崩し、ビジネスマンらしからぬ格好をする。

「何をドヤ顔してるんだこいつは……」と思ったけど、見ていく内に考えが変わった。

クレア本人は深い考えもなく、スーツを着崩してその後に脱いだが、制作側の意図としては、この「スーツを脱ぐ」という行為が1つの儀式として描いていたのかなあと思った。

事実ここからクレアが活躍しだし、最終的には自分を囮に恐竜同士を戦わせるというファインプレーを見せる。スーツ野郎から見事に脱却したというわけだ。

商業主義なんてクソ喰らえということかな?

後スーツを脱いでからの色気というか、エロスが凄い……。

良い雰囲気だけど何一つ解決していないのでは?

主人公やヒロイン、兄弟は無事ジュラシック・ワールドから生還したが、インドミナスやブルーは捕まっておらず、そのまま放置するというラストだ。

あの恐竜たちはその後どうなったのか、まったく不明……。続編があるから、そっちで再登場するということなのかな?

また忘れそうになったが、あの兄弟の両親は離婚をしようとしており、兄弟が離れ離れになる可能性が高い。

両親が兄弟に抱きついた時、母親は弟を、父親は兄を情熱的に抱きしめていたが、あれはどっちがどの子どもを引き取るかを暗示していたのでは……。

事実母親は弟を強く抱きしめた後、すぐに兄に抱きつかず、クレアを抱きしめていた。母親にとっての優先順位は、弟>クレア>兄ということだ。

大きな問題が一件落着したかに見せかけて、実は何も解決していないというのは、ある意味で非常にリアルだ。

まあ、残った問題に関しては続編「ジュラシックワールド 炎の王国」で触れられるとは思うので、次はこちらを見よう。