【考察】屍人荘の殺人シリーズの登場人物に隠された名前の意味とは?

屍人荘の殺人

ミステリー三冠、実写映画化もされ波に乗っている屍人荘の殺人シリーズ。今回はメインの登場人物である「葉村譲」や「 剣崎比留子 」の名前に隠された衝撃の意味などを考察してみた。

もしかしたら今後の展開に関わってくるかも……?

葉村譲と剣崎比留子の名前を考察

屍人荘の殺人シリーズといえば、登場人物の名前に意味があり、覚えやすいという点が好評だった。しかし主人公の葉村くんと剣崎さんに関しては、あまり触れられていない。

名前にこだわっているであろう著者なら、主人公たちの名前を適当に付けているはずがなく、何か深い意味があるのではと考察してみた。

葉村譲

まず下の名前である「譲」から見ていこう。「譲」はその名の通り、ものを譲るなど謙虚な印象があると同時に、他人をサポートする存在とも読み取れる。

ワトソン役の葉村くんにぴったりだけど、譲るというのは、自分が既に持っているものを他人に与えるということで、ちょっと深読みできなくもない。

例えば葉村くんが事件の真相に気づいても、剣崎さんにホームズ役を譲る……もっといえば、自分は探偵役にならないよう、意図的に真実から目をそらして、あえて他力本願になっているとも解釈できる。もしくは、そういう展開が今後ありそう。

また名字である葉村の「葉」は、花と共に咲き誇るものだ。花弁である剣崎さんほどは目立たないが、花に寄り添う様はワトソンにふさわしい。

ただ花が咲かない植物ならば、主役は葉の部分といえる。ホームズに固執する葉村くんだが、「本当はホームズなんていなくてもやっていける」という。メッセージが読み取れなくもない。

剣崎比留子

剣崎の「剣」という言葉からは、鋭さや冷たさ、さっぱりした印象を受ける。よく、「○○の謎を斬る」などという言い回しがあるように、事件を解決する探偵役にふさわしい。

けれど剣という言葉からは、何かを傷つけるというマイナスの意味合いも強く、危うさも感じる。このことを強く感じたのが、魔眼の匣の殺人のラスト。剣崎さんは葉村くんを守るために行動するが、結果的に葉村くんを傷つける結果になってしまった。

大事な者を守ろうとしても、結果的に傷つけてしまうという、まさしく剣のような立ち回り。

続いて名前である「比留子」だけど、これはどう考えても当て字で、日本神話のヒルコを元にしていると僕は考える。

ヒルコとは、イザナギとイザナミが最初に生んだ子にして神。しかし生命としては不完全で、 生まれてすぐに死んでしまう。

またヒルコが生まれた後も、イザナギとイザナミは子どもを作り続けるけど、ことごとく失敗している。これはヒルコの呪いともいわれており、事件という名の死を撒き散らす剣崎さんと類似している。

なぜ親はこんな物騒な名前を付けたのか……親と何かあるのだろうか。

ただヒルコは棄てられた後、良い人たちに拾われて大切に育てられ、恵比寿(エビス)……つまりは福の神になったという伝説もある。

解釈としては、剣崎さんが葉村くんとの交流を通して、事件に遭遇するという名の呪いから脱却するというのが、屍人荘の殺人シリーズの到達点となるのかもしれない。

高校生コンビとの対比を考察

屍人荘の殺人の続編である「魔眼の匣の殺人」では、葉村くん・剣崎さんの大学生コンビとよく似た立ち位置の二人組が登場した。

ネタバレ注意

この後は魔眼の匣の殺人のネタバレにもなるので、まだ読んでいない人は先に読んでおこう。

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茎沢ちゃんと十色ちゃんという高校生2人組。

本編ではやたらと酷い扱いだったけど、やっぱり大学生コンビとの対比させるために登場させたという説が濃厚で、名前からも読み取れる。

彼女たちの名前を考察した結果、かなり面白かったので解説してみる。まず4人全員の名前を見てみよう。

  • 葉村 譲
  • 茎沢 忍
  • 剣崎 比留子
  • 十色 真理恵

葉村譲と茎沢忍の関連性

葉村くんと茎沢くん、 剣崎さんと十色ちゃんで、名前の構成など共通点があるのが見て取れる。「葉と茎」は説明不要。さっきも説明した葉村くんの「譲る」という名前には、他人を支える存在とも解釈できる。

一方「茎沢 」くんの「茎」からも、葉や花(他人)を支える存在というのが読み取れるね。

興味深いのは、「茎」は葉や花を支えるだけだけど、「葉」は花と共に咲き誇れるという点。拡大解釈をすると、 もしも茎沢くんと十色ちゃんが生き延びていても、 茎沢くんでは十色ちゃんと並び立てる存在ではないと、否定されているような解釈ができる。

最も茎沢くんは、十色ちゃんを支えることすらできなかったけど……。

文字通り「忍ぶ」ことこそが彼には足りなかった。

剣崎比留子と十色真理恵の関連性

十色ちゃんと剣崎さんは、名字と名前の構成以外は似ているところがない。

ただ少し強引に解釈すると、十色は「十人十色」という四字熟語からも分かるように多様性を表しており、それぞれの方向に広がっていく……分散するとも解釈可能。

対して剣崎は、剣崎→剣先……と一方向に向かって尖っている印象を受ける。

またさっきの見出しでも解説した通り、比留子という名前には、生まれてすぐに死ぬヒルコという神話が潜んでおり、ネガティブなイメージだ。

一方十色には、「人それぞれ」という意味合いだけでなく、カラフルゆえにいろいろな色になれるなど、ポジティブな将来性が感じられる。

予言という能力を考慮すると、十色ちゃんが探偵役として魔眼の匣の事件を解く可能性もあったかもしれない。

簡単にまとめると、

  • 生まれた瞬間から死へと向かうしかない比留子
  • いろいろな可能性があった十色

強引だけど、こう解釈すると名前だけでも対比性を感じられる。

明智さんや十色ちゃんといった、ホームズになれそうな人物が死んでいく中、ヒルコの名を冠する剣崎さんだけが探偵として生き続けている。これはなかなかに皮肉が効いている。

斑目機関の意味を考察

このように、登場人物の名前にこだわっている著者ならば、当然物語の元凶である斑目機関というネーミングにもこだわっているはずだが――

調べたがぶっちゃけ良くわからなかった!

一応の説を述べるね。

斑目そのものに意味はないが、「斑(マダラ)」の方は2種類の意味があった。

  1. 別の色がところどころ混じり合っている。まだら模様など。
  2. 現れなかったり、現れなかったりすること

①の方の意味と関連付けて、以下のような推測をたててみた。

  • 斑目機関とはまだら模様のように、様々な超能力やオカルト現象を研究している機関である。
  • この世に存在する超能力やオカルト現象を、融合・統一しようとしている
  • 複数の色(意見)があり、斑目機関は一枚岩ではない。
  • ミステリーという単色の毛皮に、オカルトや超能力など別の色を足している「屍人荘の殺人シリーズ」を示唆している?(メタい……)

堅実なものから突拍子もないものまで挙げてみた。普通に考えれば、最初の説で合ってる気がする。

また「斑」という言葉には、「ある現象が現れたり、現れなかったりする」という、比喩的な意味合いもある。こちらの意味で考えられる説は、

  • 斑目機関とは歴史の影に暗躍し、時には歴史を動かすような秘密結社である。
  • 斑目機関とは極めて実態が不透明な組織である。
  • 斑目機関とは、屍人荘の殺人シリーズにぼんやりと登場し、その存在を匂わせる組織であるという、コンセプトから名付けたという説(メタい……)

秘密結社のありがちな設定のようだから、1つくらいは当たっているかな?

どうなる屍人荘の殺人シリーズ

未だ謎に包まれている葉村くんと剣崎さんの名前に隠された意味を考察してみた。個人的に剣崎日瑠子は、日本神話のヒルコで間違いないと思う。

また屍人荘の殺人の登場人物は、名前に各々の運命を背負っている節がある。彼らの物語がどのような帰結となるのか、最後まで見守りたい所存だ。

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【おまけ】管理人厳選! おすすめのミステリー小説

わざわざゾンビを殺す人間なんていない

実は屍人荘の殺人よりも先に、ミステリー×ゾンビの組み合わせをやっている作品。ただこっちの方は、ゾンビが家畜として管理されていたり、ゾンビが徘徊していたりと非常にカオスな世界観となっている。

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名探偵に薔薇を

主人公とヒロインの関係など、屍人荘の殺人に通じる要素がある作品。ネタバレになるから控えるけど、この作品を読んだ後に屍人荘の殺人を読むと、いろいろと感慨深いものがある。

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