悪化するYouTube収益化問題~vtuberも無関係ではない?

昨今YouTubeの審査が厳しくなっており、収益化を剥奪されているYouTuberが増えていますよね。主にゆっくり系の動画が収益化停止の対象となっているため、vtuberの収益化停止は少数ですけど、まったく他人事とはいえません……。

むしろ今後何かしらの理由によって、vtuberの収益化も次々と停止され、引退者が続出するという未来も考えられます。

この記事では、以下3つのことについてお話しします。

  • 収益化停止の現状
  • vtuber業界に及ぼす影響
  • 今後YouTubeはどうなっていくのか

収益化が剥奪される主な原因

YouTubeの収益化停止問題で最もホットなのは、ゆっくり関連の動画です。vtuberとはほとんど接点はなさそうですが、収益化停止の理由などを考えると、対岸の火事とは思えないため、順に解説していきます。

なぜゆっくりがアウトなのかというと、「繰り返しの多いコンテンツ」だとYouTubeに認識されているからです。

この「繰り返しの多いコンテンツ」が指すのは、主に文字だけの動画。例えば2chのスレッドをスクロールしているような動画でした。

こういった文字だけの動画は、元のサイトや掲示板から文章をそのまま転載して動画にしているだけのため、YouTubeから収益化を剥奪されても不思議ではありませんよね。

しかし現在YouTubeのアルゴリズムは、「繰り返しの多いコンテンツ」の意味を広く捉えているようで、文字動画だけでなく、ゆっくりなどの機械音声や画面に動きがない動画の収益化が剥奪されています。

ここで特筆したいのが2点あります。まずゆっくり以外の機械音声(ボイスロイドなど)の収益化も少数ですが停止されている点。

もう1つは停止された理由が、「教育的または他の価値もない視聴回数を増やすだけが目的の大量生産コンテンツ」という点です。

一連の収益化停止は妥当なのか?

他サイトからコンテンツを丸々転載したような動画ならば、収益化停止も妥当かなあと僕は思います。あくまでも収益にならないだけで、動画自体は問題なく投稿できますから

しかし台本などを動画製作者の方が自分で書いているならば、それはれっきとしたオリジナルコンテンツでは?

またゆっくりほど騒がれていませんが、「繰り返しの多いコンテンツ」には以下のようなタイプのチャンネルも含まれています。

・静止画メインのスライドショーに、ナレーター形式(機械音声ではない生声)の動画を投稿しているチャンネル
・オリジナル漫画+ナレーター形式の動画を投稿しているチャンネル

この形式なら問題ないと個人的に思いますが、YouTubeさんは厳しいですね。

ただYouTubeの収益化停止は不透明な面が強く、上記と同じような形式で作ってるチャンネルでも、問題なく収益化を維持できているところもあります。

僕が最近見つけたチャンネルは、全動画が完全静止画+生声というスタイルでしたが、今年の4月に収益化が通っていたため、一概に静止画コンテンツだから収益化できないというわけでもなさそうです。

収益化は復活するのか

収益化が剥奪されたといっても、再申請を行うことで再び収益化できたという事例も多々あります。しかし簡単なことではなく、以下のような問題があります。

  • 収益化が復活するまでの間、YouTubeからの収益は完全にストップ
  • YouTubeは詳細な改善点を教えてくれないため、どの動画を削除すれば良いのかなど、不明瞭な部分が多い
  • 機械音声がYouTube運営に受け入れられない可能性
  • YouTubeから価値がないコンテンツと判断されたという精神的ダメージ

収益化というと、お金の話ばかりが話題になりますが、なにげに最後の「価値がないコンテンツ」と明言されるのはきついです。

僕もYouTube上で動画を投稿しているから分かりますが、ずっと自分の作品を残し続けてきたサイトの運営から否定されるのは、

会社の直属の上司から「おまえのこれまでの働きは全部無価値だった」と通告されるようなものです。

当然次の作品を作ろうという創作欲は著しく低下します。他の転職先(動画投稿サイト)があれば、即辞表を突きつけるレベルのダメージです。

今のところは収益化停止=即引退という人は少ないですが、今後も収益化のハードルが高くなってくると、引退する人は増えていくでしょう。

vtuberも他人事ではない?

ここまではゆっくりをメインとしたYouTube全体の収益化問題を解説してきましたが、いよいよvtuberとも絡めていきます。

vtuberで収益化が停止された方といえば、つい最近動画をあげたベイレーンさんが有名です。

ベイレーンさんは機械音声で声をあてているため、それが原因で収益化が剥奪されたと思われます。

またvtuberで収益化が外れた事例ですと、にじさんじの緑仙さん、ハニストの蒼月エリさん、Re:AcTの獅子神レオナさんなどが有名。企業勢でも容赦なく剥奪されるのは恐怖以外の何物でもないですね……。

ただこの3人のチャンネルは「繰り返しの多いコンテンツ」と認定されたわけではなく、歌ってみたの音源がアウトなど、著作権がらみが原因と言われています。

ベイレーンさんを除くと、現状vtuberとYouTuberでは、別々の理由で収益化が停止されていることになります。

vtuberも2D勢は危険?

現状ではボイスロイドを使っているvtuberは収益化が危険と予想できますが、逆にそれ以外のvtuberは、歌ってみたなど著作権に気をつければ大丈夫そうです。

ただ静止画も危険ということを聞いた際に、僕はこう思いました。
「これ2Dモデルのvtuberも危ないのでは?」

vtuberは完全な静止画ではなく、大半はLive2Dという技術を使ってモデルを動かしていますが、正直大抵の2Dモデルってそこまで画面に動きがないですよね

ゲーム実況ならゲーム画面が動くので、「繰り返しの多いコンテンツ」には当たらないと思いますが、背景に動きがない雑談配信などは大丈夫なのかなあと、ちょっとした懸念を抱いています。

ただそれを言ってしまうと、顔出し配信をしているリアルのYouTuberさんでも、表情が乏しい人なら画面に動きがないため、そういった動画も「繰り返しの多いコンテンツ」として認識されるのでは? という可能性すらありますよね。

現状ではvtuberのように、人間の顔を出している動画や配信はセーフとしているのかもしれません。

個人的に最も安全な対策としては、2Dモデルでなく全身が動く3Dモデルを活用して動画を投稿することだと思います。

にじさんじやホロライブなど、最近は企業勢が2Dから3Dにシフトしていますので、リスク回避のためにも、vtuber界隈全体も3Dに移行していくのではと予想できます。

収益化停止問題~YouTubeの狙いを考察してみた

収益化停止について振り返ってみましたが、特に害がないチャンネルでも容赦なく収益化を剥奪しているため、YouTube運営の動向が不可解に感じるかもしれません。

YouTubeがAIで収益化の判定をするようになったのはつい最近です。そのため不安定なのは今だけで、今後収益化関連の問題は改善するかもしれませんが、YouTube運営にもれっきとした狙いがあるのかもしれません。

例えば静止画系のコンテンツでも収益化NGというのは、単純に質の低いコンテンツを量産してほしくないというだけでなく、動画投稿者の顔出しを推奨しているとも読み取れます。

なぜなら静止画系がNGなら、動画投稿者の顔を見せざるを得ないからです。YouTubeは以前よりも過激な動画に厳しくなっており、テレビのようなクリーンなイメージアップを図ろうという節があります。

今回の件も、YouTuberの顔出しを積極的にさせることで、動画投稿者の透明性や動画の信憑性を改善したいという思惑ゆえかもしれません。

日本人は顔出しに対する抵抗感が強いですが、海外ではスタンダードです。運営はYouTubeをTwitterではなくFacebookのような匿名性が低い、リアルの延長線にある
メディアに昇華したいのかもしれませんね。

しかしそこで気になるのがvtuberの存在です。顔出しを推奨するYouTube運営は、vtuebrを受け入れてくれるのでしょうか?

これはあまり考えたくないのですが、動画投稿者の顔出しをスタンダード化したいがために、vtuberの収益化を停止するという可能性もゼロではありません。

かなり大げさな予想ですが、YouTubeで実際に動画を投稿している身としては、そういった最悪の展開も考えてしまいます。

YouTubeで活動する以上、収益化の問題から逃げることはできません。別の動画プラットフォームに移行する手もありますが、YouTubeの代わりになる場所がないのが現状です。

今後YouTubeの収益化が厳しくなり、Facebookのようなサービスを目指していくなら、Twitterの動画プラットフォーム版とでもいうべき場所が求められることでしょう。